緩和ケア病棟のやりがい
■緩和ケア病棟で身につくスキル
緩和ケア病棟で働いている看護師が感じるやりがいについてお話をする前に、緩和ケア病棟で習得できるスキルについてお話をしましょう。なぜスキルの話をするのかというと、スキルが向上することでやりがいを感じるという看護師の方が多くいるためです。概ね、以下のようなことがあげられます。
・コミュニケーション技術の向上
一般病棟以上に精神面のケアが要求される緩和ケア病棟で勤務すると、自ずとコミュニケーション能力が養われてきます。このコミュニケーション能力は看護師にとってとても大切なスキル。患者さんの意図を汲み取るための質問の仕方や、何でも話したくなる聞き方を習得できるのがいいですね!
・トータルペインに対する看護能力
身体の痛みから精神的不安まで、全人的苦痛であるトータルペインに対する看護能力を身につけることができます。緩和ケアにおける姿勢や考え方は一般病棟にも通じるものがあり、深い看護能力を習得できるのが特徴です。
・フィジカルアセスメント能力
打診や聴診、触診などで患者の健康状態をチェックするフィジカルアセスメント。患者との関わりが密な緩和ケアでは、フィジカルアセスメント能力を高めることができます。
・がん疼痛マネジメント
痛さの感じ方は人によってさまざまで、痛みがどの程度あるのか図ることは難しいことです。でも多くのがん患者と接することで痛みの程度に応じたケアや処置について予想することができるようになります。
■緩和ケア病棟看護師が語るやりがい
緩和ケア病棟に勤務する看護師に仕事の「やりがい」について聞いてみたところ以下のような回答が寄せられました。
・患者さんが前向きな気持ちで生活を送れるようになったとき
「末期がんを患いながらも、一日一日を大切に過ごしている患者さんを見て勇気をもらうことができます。特に、食事がいつもよりしっかり摂れた日には、生きることへの意欲を感じ嬉しくなりますね。これからもできる限りのサポートをしていこうと思える瞬間です」
・緩和ケアチームの団結力を感じられる
「緩和ケアはほとんどの場合チームで行います。穏やかな時を過ごしてもらうのに最適な方法をチーム全体で考え実行した結果、患者さんのQOLを高められた際には、緩和ケアをやってて良かったと思います。その気持ちをチームのみんなで共有できるのも緩和ケアの魅力です」
・患者さんだけでなく、ご家族の力にもなれる
「ご家族が涙ながらに不安を訴えられるときがあります。通常の病棟では、緩和ケア病棟ほどご家族から頼りにされることはないので、精一杯支えようと思いますね。ご家族は自分が支えるべき人であると同時に、患者さんの回復を祈る仲間であるような気がしています。『誰かのためになる仕事を』と思って看護師になったこともあり、緩和ケア病棟はとてもやりがいのあるところです!」
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