緩和ケア病棟における仕事内容
■緩和ケア病棟における看護師の一日
緩和ケア病棟に勤務する看護師たちはどのような一日を過ごしているのでしょう。下に日勤の場合のモデルを用意しましたのでご覧下さい。
8:00 | 申し送り |
9:00 | 検温・バイタルチェック・点滴 処置・ケアなど (身体的ケア・精神的ケア 社会的ケアを行う) |
12:00 | 昼食の介助 |
13:00 | (交代で休憩に入る) |
14:00 | ケアカンファレンス 業務カンファレンス ( 隔日) |
15:00 | 検温バイタルチェック 点滴 処置 ケアなど (身体的ケア・精神的ケア 社会的ケアを行う) |
16:30 | 申し送り |
17:00 | 交代 |
大まかな流れでみると、他の病棟と比べて特に大きな差はないように感じられるかもしれませんが、緩和ケア病棟には一般病棟と大きく違うところがあります。それは「患者らしい毎日を過ごしてもらうよう注力していること」です。例えば今までのライフスタイルに合わせるため、一人一人の昼食時間がちがうのは珍しいことではありませんし、消灯時間を設けていない病院やホスピスも多いです。そのため勤務の時間は担当する患者さんによって変動が見られる、と思っていたほうが間違いが無いかもしれません。
■緩和ケア病棟の特徴
緩和ケア病棟最大の特徴は、医師・看護師・薬剤師・心理カウンセラー・作業療法士などの専門スキルを持つスタッフからなる緩和ケアチームが力を合わせて患者のフォローをしていること。他の病棟には無い連帯感を感じることができます。その中で緩和ケア看護師に期待されていることは、患者の身体ケアと精神ケア、そして社会的ケアの3つです。特に「がん」そして「死」に対する恐怖を取り除くための精神ケアや、仕事や経済などの社会的不安を取り除くケアが緩和ケア看護師特有の仕事と言えます。
「緩和ケア病棟は、辛い思いをたくさんしなければならない大変な場所だ」という認識を持っている方は驚くかもしれませんが、緩和ケア病棟はいつも穏やかな雰囲気に包まれています。なぜ、死が迫っているというのに穏やかな雰囲気なのか。それこそまさに、緩和ケアチームのスタッフが患者さんらしい生き方を全力でサポートしていることのあらわれです。「生」と「死」が色濃く感じられる場所でありながらもとても温かみを覚える場所、それが緩和ケア病棟です。
■緩和ケア病棟に向いている看護師
緩和ケア病棟における看護師には、患者に対する病気のケアだけでなく心のケアも求められます。また、患者だけでなくそのご家族のフォローをすることも緩和ケアナースの役割です。そのため「誰かの支えになりたい」と強く思える方に向いていると言えるでしょう。また、患者やご家族の話に耳を傾けることも大事なので、聞き上手な人がありのままの自分で働けるかもしれませんね。高度な看護スキルで患者を救う、というよりは温かみのあるケアで患者を癒せるような包容力のある方に、ぜひ緩和ケア病棟で活躍してもらえればと思います。
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